学部の理念・教育目標

1.工学資源学部の理念

 本学部は,地球規模となった資源・環境・エネルギー問題の解決のため鉱山・資源系の教育・研究の継承・発展を図り,国際的に活躍できる資源技術者の養成を行う。また,理学および工学系学科においては先端分野・学際分野への展開を継続しながら,地域の課題である高齢化への対応や新たな産業の創出などへ寄与できる教育・研究分野の充実を図り,地域の産業を担う人材の養成を行う。

 資源系と工学系の二つは教育・研究上の交流を通して,二つの系が一つの学部に存在するという特長を活かしながら互いの発展を図る。分野毎の人材についての要請に応えるため,学生定員の適正化を図るとともに,広く地域に開かれた大学として,地域の人々に教育を受ける機会を提供する。

 このため,本学部は次の視点を基本とした教育・研究を行う。

(1)グローバリゼーション時代の資源学への対応

  国際的あるいは地球規模での重要性が更に高まる資源・環境・エネルギー問題の解決のため,鉱山学部の伝統を活かした専門的な資源学の知識や技術力の教育に加えて,幅広い視野から地球規模での資源問題,環境問題に取り組み,自ら課題を解決できる能力を養う。このため,今まで培われた情報ネットワークを背景に構築する資源データベースを用いた管理・分析手法の教育や実践的な語学教育,国際関係学などの学習カリキュラムを設定して国際的に活躍できる資源技術者の養成を目指す。

 今日の資源・エネルギー問題は,地球上における物質循環の観点から総合的にとらえる必要があるが,その中で環境に与える影響に配慮した新素材の開発や,廃棄物などの人工物のリサイクル技術は確立すべき重要な技術である。本学部では,今まで培われた素材プロセス技術,化学・物質関連技術を基に,資源リサイクルと環境に調和した材料やその製造プロセスを中心に教育,研究する学科を置く。

(2)社会の要請に応える人材の養成

  理学および工学系分野においては,国際的にもその課題が多様であり,その解決のための技術革新も加速化し,これまで以上に先進的,独創的な学術研究が必要である。

 本学部では,化学,生命,材料,エレクトロニクス,メカトロニクス,情報,土木の分野において情報処理教育,実践的な語学教育,応用力を重視した専門教育を行い,先端的な研究の進展を支える人材の養成を引き続き行うとともに,インターンシップ制度など職業意識を高める教育カリキュラムや社会における科学技術の役割の学習を通して,社会の要請を理解して,自らの専門知識を活かしながら問題を解決する能力を身につけた人材の養成を行う。

(3)地域社会への積極的な貢献

  国際競争の優劣を背景に生産拠点の海外立地の進展,また,製品の国内供給が輸入依存型に転換することにより製造業が脆弱化する中,学問の府として真理を追究するだけでなく,地域の課題である高齢化に配慮した技術やリサイクルマインパークとの連携など地域の特色をも活かした資源リサイクル技術などの教育・研究の展開によって地域産業の高度化や新産業の創出に貢献し,それらを支える人材を供給することによって成果を地域社会に還元する。

 また,産学官連携の研究の推進や学術情報の積極的な公開を行うことにより,地域コミュニティーの一員として地域社会の発展に貢献する。

2.工学資源学部の教育目標

(1) 理学および工学または資源学を通じて社会に貢献し,科学技術の発展に寄与したいという意欲を持つ人材の受け入れ

(2) グローバリゼーション時代に対応した国際的に通用する教育と人材の養成

(3) 資源系学部の伝統を生かした地球スケールの視野をもつ技術者の養成

(4) 基礎的,専門的知識を応用して先端分野・学際分野へ展開し,新たな産業創出などへ寄与できる独創性及び起業家精神を持つ人材の養成

(5) 倫理観と社会的責任を有し,地域社会の要請を理解して,専門知識を活かしながら問題解決する能力を身につけた人材の養成

(6) 学生の教育・研究環境の整備及び勉学・研究のための生活支援

(7) 学部における教育・研究の社会への還元